下水管や排水管などの洗浄を高圧ポンプを使用しておこなえる特殊車輛に、高圧洗浄車があります。特殊な状況のときに出動するような車輛ですが、一般家庭の排水管がつまったときなどに作業がおこなわれるケースもあります。ここでは、高圧洗浄車の特徴や特殊ノズルについて、洗浄の手順や作業洗浄技能士についてなどを紹介します。

高圧洗浄車について

高圧洗浄車というと、大掛かりな作業をする車輛というイメージがあります。業務用のイメージしか浮かばないという方もいるかもしれませんが、実は家庭用など身近なところで使用されることもあるのです。

高圧洗浄車とは

高圧洗浄車には、高圧ポンプと水タンクなどが搭載されています。高圧ポンプでタンクに入った水を加圧してから、ホースの先端に取り付けられた特殊ノズルで高圧水を後方噴射させることができるのです。これにより体積土砂などを引き出すことが可能ですが、ノズルの選び方では家庭用内のタンクを洗浄したり、壁面や床面などの洗浄に使われることもあります。洗車をするときのためなどに自分で使用できる高圧洗浄機を持っている方もいるでしょうが、その何倍もパワーアップした車輛が、高圧洗浄車です。

高圧洗浄車は、メーカーによってはアチューマット車などと呼んでいることもあります。水を積んで高圧の水で洗浄するのが持ち味の車輛ですが、実は最大の特徴は先端部分についたノズルにあるのです。ノズルを付け替えることによって、適用範囲を変えることができます。

適用範囲

高圧洗浄車が使われるシーンといえば、下水道管や側溝、宅内の排水管やタンクとその構内、床面などがあります。公共の場所を清掃したりする他、企業の施設まわりなどを清掃するときに用いられることもありますし、ときには家庭用に出動する場合もあります。家庭用に高圧洗浄車が使われるときは、よほどの汚れを落とす必要が出た場合です。

高圧洗浄車のメリット

高圧洗浄車を使用すると、通常は落としにくいようなひどい汚れや洗浄しにくい場所の清掃が可能になります。人が入り込めない場所の清掃も、高圧洗浄車であればノズルを付け替えることで清掃しやすくなります。強力な吸引をすることで、作業効率をアップさせることも可能です。高速に、なおかつ効果的に清掃が可能になる高圧洗浄車は、困ったときの救世主のような存在です。

高圧洗浄車の特殊ノズル

高圧洗浄車の特徴といえば、特殊ノズルに集中しています。特殊ノズルを付け替えることで様々な場所や汚れに対応した清掃ができ、汚れによって車輛を変えるような必要もなくなります。

一般的なイメージ

一般的な高圧洗浄のイメージは、先端のノズルから水がホースのように噴射して汚れを落とすというものではないでしょうか。この方法でも落とせる汚れはありますが、頑固な汚れの場合はもっと集中的に水の力を強める必要があります。高圧洗浄車のノズルには、汚れや場所に応じた一般的なイメージとは異なるスタイルが採用されています。

高圧洗浄車のノズル

高圧洗浄車のノズルにも様々な種類がありますが、配管の清掃に使用されるような特殊ノズルは汚れを押し出すようなスタイルです。しかも水が噴射する方向は後方に向いており、そこが一般的なノズルとは大きく異なる点です。水が後方に向いて噴射されるのでは、作業者が水に濡れてしまうのではないかと心配になります。しかし、高圧洗浄車のノズルが後方に噴射するようになっているのには理由があるのです。

後方へ噴射する理由

高圧洗浄車のノズルが後方へと水を噴射させる理由は、2つあります。1つは前方への推進力をもたらすこと、もう1つは配管の奥の汚れを手前に寄せることです。前方に水を推し進めるという目的はわかりやすいものの、配管の奥の汚れを手前に寄せるというのはわかりにくいかもしれません。これは、まず汚れを落としながら奥の方へとノズルが進み、配管の奥に入り込んだら汚れを掻き出すようなイメージです。ノズルの形状に工夫がされているからこそ、複雑な場所にこびりついた汚れを落とすこともできるようになっています。

排水管の高圧洗浄

・高圧での給水
高圧洗浄車で、100k/㎠~の高圧給水をします。

・高圧水で排水管の汚れを剥がす
排水管に洗管ホースを挿入し、極小の穴から高圧水を噴射することで排水管につまった汚れを砕いて剥がします。噴射する水も、洗管ホースの推進力となります。

家庭用と業務用の違い

高圧洗浄は、家庭用と業務用とで機械を分けて使うことがほとんどです。家庭用と業務用で異なるのは、圧力の違いです。家庭用高圧洗浄機は100v電源で作動するタイプが多く、90kg/㎠ほどの高圧力のタイプも出ています。ただし水量は業務用に比べると少なく、300L/時程度が一般的です。これに対して、業務用高圧洗浄機の圧力は150kg/㎠~200kg/㎠と能力が圧倒的に高く、水量も960L/時と大きな違いがあります。

家庭用の90kg/㎠で水量300L/時の高圧洗浄機を業務量の200kg/㎠で水量960L/時のタイプを洗浄効率で比べてみると、業務用は家庭用の約7倍もの威力を持っているとのデータもあります。このため、専門業者によっては家庭の洗浄をおこなうときにも業務用の高圧洗浄機を使用しているところがあります。ただ、業務用は威力が強いだけに騒音が心配。防音エンジンを搭載した高圧洗浄機であれば、安心しです。

高圧洗浄車の操作

高圧洗浄車の操作を効率よく安全におこなうために、産業洗浄技能士という資格があります。産業用の機械で洗浄をおこなうためには独自の技術が必要なため、注目されている資格です。

特殊な機械の洗浄

■ 直射洗浄
複雑な形状の外面や船舶の側壁、建物の壁、タンクの内外面などを洗浄するときなどによく用いられます。

■ 下水道管洗浄
公共施設の上下水道管をはじめ、生産工場の給排水管などについた土砂や汚れなどを放置しておくと、流れが止まってしまう恐れがあります。そこで高圧洗浄をするとき、下水道管洗浄が用いられます。

■ 熱交換器洗浄
汚れが付着すると熱交換率が低下するようなチューブの内外面を高圧洗浄し、ダメージを少なく従来の機能を回復させます。

■ 塗装剥離
硬質な塗装やライニングの被膜を剥がすために、噴射圧力100MPa以上の高圧洗浄機を用いることがあります。

■ コンクリートのはつり
コンクリートの建造物や道路などを補修する際、振動や騒音、粉じんを少なくするために高圧洗浄機が用いられることがあります。

そのほか、化学洗浄や循環洗浄、スプレー洗浄などの清掃にも高圧洗浄機が用いられるケースがあります。

産業洗浄技能士

産業技能士の資格を持っていると、公共施設の清掃業務などで専門性の高い技術を活かした清掃作業をおこなえます。国家資格でもあり、資格取得後は法律に基づいて産業洗浄技能士を名乗ることが可能です。

産業技能士は、機械の種類に合わせて特殊な洗浄技術を活かした清掃をします。上下水道の配管やタンク、金属の熱処理に用いる加熱炉、装置熱交換器などの工場設備の洗浄可能です。噴射ガン、フレキシブルホースなど、様々な種類の高圧洗浄器を状況に応じて選び、扱うことで洗浄のエキスパートとして活躍することができます。資格を取得する際には、実技と学科の検定試験を受験します。実技では、下水道管の洗浄や熱交換器の管内洗浄、塗料の剥離洗浄などを高圧洗浄車を用いておこなうことになります。